テントのブログ

漫画家デビューを目指す道のりや、自作のゲーム音楽など創作活動全般について綴ります。また雑記なども書きます。

【持ち込みレポ032】マンガよもんがさんに持ち込みしました

昨年末は日程の調整が難しく、年明けの今日、ぶんか社さんに持ち込みに行きました。

 

事前アンケートの文面から、かなり厳しそうだったので、警戒してしまい、「言葉を選んで講評してほしい」「自分のペースを保ってそこそこ仕事できれば良い」にチェックしたのですが、自分も持ち込みしまくって場慣れしてるし、正直言えば売れたいしなぁ、当日分かってもらえれば良いか、と構えてました。

 

今描いている新作のネームと、キャラクターのイラスト、3ページ目までの完成原稿も一緒に持って行き、読んで頂けないかお願いしたところ、快く講評してくださいました。売れるための、生き残るためのアドバイスを惜しみなくぶっちゃけてくださり、大変参考になりました。出版社さんも必死なのが伝わってきました。

 

以下は講評です。

 

前作の完成原稿より、新作のネームの方が面白かったです。私がゲームが好きなのもあると思いますが。

 

画力不足を気にされているようですが、そこまででもないんですが、ハッキリ言うとまだ商業レベルではないです。男の子は全体的に苦手かな。画力の部分は描けば描くほど上がります。正直このきれいなお姉さんに感情移入できないです。顔マンガではなかったので、読みやすかったです。

 

起承転結の起の部分で感情移入しづらく、ギャグっぽいほうがお上手なのかなと思いました。主人公の突飛な行動や思い込みが客観性に欠けます。これがギャグに全振りしてれば良いんですが。ギャグに寄ると、何だこいつとワンテンポ置いて読めるので、宜しければギャグに寄ってもらいたいです。ミステリーは得意ではないけれど描いている、という感じでした。


画力向上に関しては、カラーを毎日描いてください。カラー漫画を描けるようになった方がいいです。漫画は無料でいくらでも読める時代なので、いかに目を惹き付けるかが重要です。今は持ち込みよりも、バズってる人に仕事が行きがちです。コロナがあったりして、本屋がかなり減ってしまい、これからどんどん電子に変わっていきます。電子で勝つためにカラーを練習してください。電子で1000売れないと、そもそも紙にしないです。Amazonで自分で卸せると思うので、少しずつ売っていくと良いです。電子だとレビューが良いやつが読まれるので、どんなレビューが付くのかを想像すると良いです。

 

男はキモくて良いですね。女の子のほうが上手ですが、男の子のほうがキャラクター性があります。男はいそうなキモさ。いそうならいそうでもっとキモくしても良い。読者がこいつよりはマシだと思ったなら勝ちです。死ぬほど女の子を可愛く描けるなら可愛く描くと良いです。男の子はだいぶ練習しないと。

 

自分から、「ヒロインの片喰にもキャラクター性があって、ゴミを見るような目で主人公を見るのがヒロインのキャラクター性です」と言ったところ、誰に対してもゴミを見るような目で見るのか、主人公だけをそういう目で見ているのかがわからなかった。最後の「嫌よ、また今度」は優しすぎます。「キモい、○ね」くらいで良いとのことでした笑

 

1ページ目で強烈に残らないと2ページ目は読まないです。2ページ目までで内容がフックのあるものが良いです。

 

構図自体はちゃんと描けてます。決めゴマが弱いですね。一枚絵を描くのは良いんですが、描くんであれば、そのコマへのバネがないと。

 

山は作れてるんですが、谷を作るのがちょっと苦手なのかなと思いました。ちゃんと落とせてないまま次の山へ行っちゃうのが勿体ないです。

 

読み切りでは4ページに1回、2ページに1回ユーザーを惹き付ける必要があります。1ページ目で何だこの漫画は、と思わせ、小さいオチを作っていき、そして大きい山を作って落とすと良いです。

 

ゲーム音楽はニッチな趣味ではあるので、そこそこ売れたいのであれば、ゲーム音楽と流行っている異世界転生や浮気ものなどを掛け算すると良いです。出版社は流行ってるものを出したいんです。


画力を向上させたいなら、模写とカラーを描きまくっていれば、来年は一個はバズるんじゃないかと思います。

 

ゲーム音楽の説明の箇所は文字が煩雑になりがちなので、文字は減らした方が良いです。もっとニッチにしちゃっていいと思います。「ハイスコアガール」はスト2の知識がないとついて行けないですが、そのぶん拡散されやすい内容です。スト6も、スト2をやってた人の方が多いので、スト2世代向けに描いた方がハネやすいです。あと、どんなに面白くても運がないとハネないです。

 

前作は伏線を張れていたので、伏線回収できたほうが読後感としてはすごくいいものになると思います。

 

背景については、いつかは来る課題ですが、今はその時ではないです。ただ、白が多いと手抜きに見えます。カラーも背景も、素材を買ったりアシスタントさんを雇うなりして、お金で解決できてしまいます。

 

男性向けですよね。それなら女の子はとにかく柔らかく描くと良いです。女の子が可愛くないと漫画が成立しません。印象に残る絵であれば上手い必要はないです。キモいデフォルメされた男は何種類かパターンを持っておいて、イケメンの等身も描けると良いです。

 

1時間15分も腹を割って話してくださいました。去年の1月から描き始めたとなると、ものすごい成長スピードです。1年後にでもぜひまた見せてくださいと言ってもらえました。何でこんなにしてくれるんだろう、と有難かったです。

 

○○さんの一番の売りは持ち込みの数ですね、と言ってもらえました。売りというのは「武器」という意味合いだと思うので、自分も持ち込みの数を武器にして自分を売り込んでいこうと思いますし、出版社さんも自分の持ち込み数を武器にする可能性があるな、と思いました。

 

Xで毎日投稿しているのは良いと思います、とのことで、「1枚ずつ投稿すれば、連載っぽくなって反応ももらえるし、拡大しなくてもスーッと読めるんですよ」と言ったら、すごく良いと言って頂けました。でも、アクションがあった方が、良いポストとしてシステムに認識されるからと、1ポスト目で最初の1枚を投稿して、後は4枚ずつアップしていく一般的な方式もお勧めして頂きました。

 

ゲーム音楽はニッチな題材だとは言われますが、やはり高確率でゲーム音楽やゲーム好きの編集者さんに当たります。とりあえず今回は大筋はこのまま行きますが、次回は流行っている題材と掛け合わせてみるかも知れません。