今日は、小学館さんの
・ゲッサン
に持ち込みました。
来週の木曜日の持ち込みが終わったら、コミティアの出張編集部を含めて対面持ち込みの回数はのべ55回に上ります。どんなに忙しくて時間がないと言っている編集者さんでも、講評をちゃんとやらない人は今のところいません。
理性的に慎重派の意見を言う方もいれば、けっこう褒めてくれる編集者さんもおり、どちらが良いとか悪いではなく、運悪く慎重派の編集者さんに続けて当たると自信を喪失するし、その逆なら調子に乗ってしまう。作家も編集者も人間であり、人間であるがために人間であることに左右される。少なくとも自分はそうです。
今回の原稿を書くにあたり、「ヒカルの碁」を参考にしたのですが、編集者さんからも「アイシールド21」「ヒカルの碁」を勧められました。先日ゲーム音楽専門のディスクユニオンが開店したくらいゲーム音楽はポピュラーなのに…とも思いますが、ゲーム音楽というのは、世間一般には「ゲーム好きの延長線上にあるニッチなジャンル」のようです。
ゲーム音楽以外を題材にして次回作を書こうかと思っていると言ったら、ヒカルの碁は囲碁が題材じゃなくても面白いはずで、モチーフは重要じゃない、ゲーム音楽を知らなくても面白いという内容なら良いとのご意見を頂きました。確かに。(と、振り回されてしまう自分が少し嫌)
「出来たら作画もやって漫画家になりたいんですが、原作者という選択肢も考えており、直球で申し訳ないんですが、どちらが向いていると思いますか」という愚の骨頂のような質問をしました。原作者を目指すのであれば、作画の時間を削って原作の練習をしなければならず、相当面白いネームを書けなければならないと。漫画家と原作者のどちらを選ぶかは、自分がどちらをやっていきたいか、という気持ち次第だと。そりゃそうか。
「G.M.HOLIC」を持ち込むとしばしば今までにない題材だと言われるのですが、その割には、同年代の編集者さんだと特にゲーム音楽好きの方だったりします。今回もゲーム音楽好きの編集者さんに当たりました。
やはり、「ゲーム音楽の知識ではなく、キャラクター同士のやり取りやドラマを中心にした方が良い」と。これはほとんどの編集者さんが同じことを言うので、セオリーだと思われ、次回作は奇をてらわずにその通りにします。
「今年から見開き漫画を描き始めたにしては、コマ割りが読みやすい点は好感が持てた」とも言って頂けて、これはコミティアの出張編集部でも言われたので、ネームの練習を積んだ成果が出たと思われます。
漫画は音が表現できないが、Iが作った曲の曲名が「潮騒」なら、潮騒の情景を絵で表現すると良かった、とのこと。面と向かって言えませんでしたが、音楽も、絵を入れることはできないものの、情景が浮かぶ曲を作れることが求められます。その逆のことを仰っているのだと思いました。
画力不足は今回も指摘されましたが、少しずつ「まだ」という言葉が付いてきているので、修練すれば徐々に上げられると思われます。
今回、特に救われたのは「漫画家には得意・不得意がある」という言葉。当たり前のことに思えますが、編集者さんがこう言ってくれたことは今までほとんどなく、「自分だけが何もかもできてないんじゃないか」とネガティヴになってました。「そうですよね!」と心の中で思いました。私の表情が変わってきたことが編集者さんにも伝わったのか、編集者さんも40分くらいわりと長めに詳細な講評をしてくれました。
「面白いかどうかはその時の気分に左右されるところがある。だって、最愛の親が亡くなった日に不条理ギャグ漫画で笑えますか?」という言葉にも救われました。私の漫画は「面白い」「わかる」「つまらない」の三つに分類すると「わかる」漫画とのことで、「あ、つまらなくはないんだ」と救われました。
私が編集者さんに救われたように、編集者さんも、持ち込みに来ている新人作家の表情を講評で変えることができれば、気分が上がることもあるんじゃないかな?と少し思います。冒頭で述べた「作家も編集者も人間」という気づきはこういったことです。
「ほぼ日刊イトイ新聞」の糸井重里さんと週刊少年ジャンプの編集者の林士平さんの対談記事の中で、「新人作家には、完成させたことを褒めるようにしている。漫画を完成させて持ち込みに来ているということは、とりあえずリングに上がっているのだから」という話がありました。私はまだ担当が付いておらず、勝ち負けで言うと全戦全敗なんですが、まだ漫画を描くつもりです。なぜ私がリングに上がり続けられるかというと、持ち込みで好感触な時があったり、SNS等で反応があったり、オフラインで話を聞いてくれる人がいるからで、思いきり人に寄りかかって生きております。
本日の持ち込みについては以上です。
今日、noteで週刊少年マガジンさんが主催している原作大賞に応募するための漫画原作を完成させ、投稿しました。
漫画を奇を衒って説明寄りにし過ぎたという反省から、コメディ色を強め、説明するなら説明するで「ものすごく分かりやすく丁寧に」を意識して書きました。
全員が百合だとI(愛)が正常なことになってしまうので、Iをボケにして、対比としてノーマルでツッコミのK(恵)という親友を出しました。また、漫画ではモブキャラだった男子部員に少しだけ台詞を与え、J(次衛)とQ(九)というキャラにしました。全員がアルファベット表記だと読みづらいので、男性キャラは漢字表記にしてあります。
漫画原稿にすると1話は50~60ページ、2話以降もその半分くらいになると思われ、こちらは自分では漫画にしない予定ですが、ゲーム音楽ネタの漫画は描き続けるかも知れません。
「ゲーム音楽ネタ以外の漫画も描けた方が良い」というご意見もご尤もですし、「題材選びは重要ではない。ゲーム音楽への専門性は武器」というご意見もご尤もです。「ヒカルの碁」のように、ゲーム音楽に興味がなくても楽しめる内容が理想なんでしょう。
私は昔から、積極性はあるものの結果に繋がらないことが多く、今回もそのパターンなんじゃないかと弱気になり始めておりますが、自分の積極性は強みだとも気づきました。下手な鉄砲は撃たないようにしますが、「鉄砲は数撃ちゃ当たる」と考え、攻めの姿勢を保ちたいところです。(もう折れかかってますが…)