私は失業するまで、うつ病で精神障がい者として障がい者枠で働いていました。
長い間、うつとは無縁なほど元気が良かったのですが、緊急事態宣言を境にリズムが乱れてしまい、うつっぽい状態に…
さらに、障がい者枠の同僚からのパワハラがひどく、表向きは穏便に上手く付き合っていましたが、担当のカウンセラーに相談するほど病んでしまいました。
障がい者枠というのは、身体障害、知的障害、精神障害、発達障害の4つがあります。勿論、誰がどの分類で入職しているかは明かされません。企業側が診断書すら保持していないとは知りませんでしたが…企業側もうつ病で診断書を持っていることを把握してませんでした。(口頭で言っても「言い訳っぽい」と…)
そのためか、障がい者枠の同僚から、「いい感じにやってください」「凝り固まり過ぎ」と言われたり、上司らから「病気のせいかも知れないけど」「症状なのかも知れないですけど」と言われたりして、自分は発達障害なんじゃないかと気に病んで仕方なくなってきました。そして、どんどん調子を崩し、いろいろと理不尽な目に遭って、雇い止めになりました。まだ立ち直れてません。
私にパワハラをしていた同僚の方がむしろ自覚がなく、悪意もないようで、私の面倒を見てくれている方によると「僕は医者じゃないのではっきりとは言えませんが、中高年で発症した発達障害かも知れないですね」と言っていました。私が追い出されたのは未だに納得が行ってません…
「うつはグレーゾーンの二次障害だとわかってきた」というネット記事や、グレーゾーンの割合などを調べるうち、気になってしょうがない状態がますますひどくなり、退職後、かかりつけの心療内科で9年ぶりにWAIS検査を受けました。
昔、WAIS-IIIを受けた時は臨床心理士から「グレー」と言われ、「僕たちも当てはまるかも知れないくらいのものですよ」と説明を受けたので、グレーのままだろうなとは思ってました。
私の検査結果は下記の通りでした。
全検査IQ: 110
言語理解IQ: 110
知覚推理IQ: 118
ワーキングメモリーIQ: 106
処理速度IQ: 93
まぁ、中の上くらいですか。凹凸も25とやや大きいですが、私の面倒を見てくれている方によれば、40~50のバラつきがあってもグレーゾーンと言われる人もいるそうで、「薄いグレー」「良いグレー」と言われました。処理速度が相対的に低めに出るのは昔からで、先天的に不得手なんでしょう。
しかし、このWAIS-IVを受けた時(昨年9月下旬)、私は事件を起こしそうなほど、メンタルが非常にヤバかった…イライラ止めなどの薬も増えてました。
前回検査をしてくれた臨床心理士は私のことをよく知っている方でしたが、あいにく数か月前に退職してしまい、初対面の若い臨床心理士に検査してもらいました。
「検査前半の段階で疲労の色が濃く見られており、集中を維持することが難しい様子が見受けられました」
とレポートに書いてありますが、そりゃ歩行も困難なほどメンタルボロボロでしたから…
「難易度が高い問題にも正答できている一方で、簡単な問題にも素早く回答して誤答する等、やや衝動的な様子も観察されました」
って、「1回までは間違えて良いですよ」って言ったやん…知ってたら慎重に回答していたのに…心理テストだから、そう言って誤答するかどうかを見てるんですかね。
「ルーティーンでやりたくてそこから崩れると少し動揺する」というのも、「少し」くらいは動揺するでしょ…「普通」は「全く」動揺しないんでしょうか。
最も納得いかないのは「人の気持ちが分からないことも話して頂きました」とレポートの冒頭に書いてあったことです。いやいや、そんなこと言ってません。
前回のWAIS-IIIで、かっこ書きで「人の気持ちが分かりにくい」と書いてあり、臨床心理士に補足説明を求めたところ、「全体像が見えにくい人は人の気持ちが分かりにくい傾向があるんですが、○○さんの普段の様子を見ているとそうは見えないので、かっこ書きにしたんです。すみません、僕の伝え方が悪かったです。本当はかっこをもっと濃くしたいくらいなんですよ」と言ってました。確かそれを話したんだと思うのですが、どうしたら「人の気持ちが分からない」と言ったことになってしまうんでしょう?
ASD、ADHD指数は、微妙にカットオフ値を下回るくらいでした。昔から変わり者だと言われますから、傾向があるのは、抵抗はありますが自覚してます。
主治医からははっきりと「発達障害ではない」と言われました。「例えば、貧乏ゆすりをしているからADHDとはならない」とのことです。しかし、その主治医が「グレーと言われたということは普通の人とは違うっていうことだよ」と言ったので、また気に病んでます…まぁ、グレーですから、そういう言い方になりますね。
調子が悪い時にWAISを受けたのが影響している可能性はないか聞いてみたら、「あるんじゃない?」と言われました。
それで、私が本当に障がい者枠でないと働けないのか?ということをよく再検討しました。
元々、十数年前に入院した時は「心気性うつ病」と診断されたのであって、ずっと「うつ状態です」と言われ続け、うつ病とはなかなか診断が下りませんでした。心気性うつ病は「うつ病に違いないと本人が思い込んで気になって仕方ない状態」のようで、実際、入院中はうつの治療よりも対人恐怖症の治療がメインでした。
ということは、うつ病だったかどうかも怪しく、せいぜいうつ状態だった可能性がある…
また、WAISでは、絵が上手だとか作曲ができるということは結果に出ませんから、そちらの特性を活かす方向でやっていけるのではないか、と考えました。クリエイター職は人間関係が難しそうなので苦手意識もありますが、昔は対人恐怖症だった時期もあったものの、今は人の目を見て、昔よりははきはきと話せるようになっています。
それで、漫画や作曲を仕事にできないか模索するに至りました。WAIS-IVは統計なんで正確ではありますが、先述のように明らかに間違っている部分があることもあるので、100%鵜呑みにしない方が良いと思います。
「どう診断されたか」「IQがいくつか」より「実際何ができたか」が重要と考えます。
「臨機応変が苦手」と言われていたので、そういうものなのか、と長年苦手意識を持ってましたが、漫画の持ち込みをやってみて、臨機応変ができる自分に驚きました。
発達障害と診断されていない以上、そちらについては言及しませんが、グレーゾーンと言われている人たちには、生きづらさはあると思いますが、少なくとも絶望はしないで頂きたいです。