テントのブログ

漫画家デビューを目指す道のりや、自作のゲーム音楽など創作活動全般について綴ります。また雑記なども書きます。

【持ち込みレポ024】小学館さんに持ち込みに行きました

今日は小学館さんの4誌に持ち込みに行きました。

 

ゲッサンさん

1年目で4作目はかなりのペース。話はとても分かりやすいです。ゲーム音楽はまだないテーマなので、他の人がやってないジャンルはテーマ的には良いと思います。


課題としてはいろいろあり、画力的な問題が一番大きい。絵が上手いかどうか、特に女性が可愛いかどうかが一番と言っていい。表情が固い。また、画力というより画面構成で、見やすさについてはあまり問題ないんですが、もう少しメリハリがあると良いです。背景を記号として描いてる感じがするので、もっと細かく。

 

ゲーム音楽ならではの「普通の音楽と違ってこういう観点があるのか」というのがなかったとのことで、「漫画と離れるんですが、私はゲーム音楽が好きで詳しく、ほとんどのゲーム機で曲が作れるのが強みです」と言ったら、「めっちゃ面白いです。ゲーム音楽は良いと思います。ゴリゴリと知識を入れちゃってもいいんじゃないですか。他の人が知らない知識を持っていることは、漫画を描くための武器になるので」とのことでした。

 

流行に合わせてスマホゲーを題材にしたんですが、それで「100%じゃないんだよなぁ」と思いながら描くより、描きたい題材で描いて持ち込みした方が良いんでしょうか?と聞いたら、「描きたいものと需要とのバランスはどの作家さんもぶち当たる問題で難しいです。現状はまだそのレベルではないです。好きなものじゃないと全力を出せないと思うので、好きなものを描いて良いと思います」とのことでした。

 

週刊少年サンデーさん

本棚に他社さんのあらゆる漫画雑誌が置いてあり、編集者さんがなかなか来ないのでコミックビームをめくり始めたところに来てしまい、気まずかったです。

読みやすいですね。けっこう自分のペースでどんな読者でも読めて、作品の中に入り込める余地を感じます。読みやすさの内側にある部分で、台詞が変に遠回しじゃない。自分のやりたいことから一歩退こうとする気持ちは良かったです。

 

ヒロインの「男の子はこういう曲好きだね」という台詞は、この仕事をしてないとパッと出て来なさそうな言葉で、音楽を話にしようという観点が嘘っぽくないです。


物語的にプロットが面白くはなかった。なぜかというと、この2人が絡む意味があまり感じられないから。人が物語を楽しむ時は、人に興味を持てるかどうかが重要で、この2人はオブラートに包まずに言えば人物A、人物Bのような感じで読んでしまいました。

次のステップとしては、キャラクターに興味を持ってもらうこと。ここが凄くでかい段差で、プロでも連載しながら悩むところです。キャラクターと漫画の面白さはかなり関係していて、同じことを描いているのにキャラクターによって反応が違ったりします。キャラクターの引き出しを多く作る。このキャラ好きだな、いい奴だなと思った時に、何でこんなキャラを好きになったのか分解すると良いです。


「どっちかということはないと思うんですが、現実にいそうなキャラにするか、いたらいいな、というキャラにするか、というのがあると思うんですが」と言ったら、キャラクターの作り方としてはその作家さんがどっちに向いてるかによります。あまり人と多く接して来なかった人だと妄想で作っちゃうし、多くの人と接して妄想を広げてこなかった人は見てて自分の欲を叶えてくれるキャラを描く、と仰っていました。

 

ご友人などに見せたりすると良いですよ、とのことで、友人が漫画にほとんど興味がなくて、かえって心を折られてしまいます。漫画が好きな友人がいれば良いんですけど、と言ったら、「普通そうなんですよねぇ。それが平均値というか。何か見せてもゲームしながらしか見ない。もしちょっと反応を返してくれたらありがとうー!そこは人生の難しさですね」とのこと。

 

絵柄は古くないですか?と聞いたら、まだ画力が全然で頑張らなきゃいけない。古いのを基準に描いてる感じは多少する。絵は努力と勉強で伸びます、と。


この話は少年漫画ではないなと思いました。中高生をターゲットにしているのが僕らの基本姿勢です。ぼやっと描いてるとぼやっとしちゃうので対象読者を定めると良いです。


ビッグコミックスピリッツさん

曲が題材になってるのは角度として面白いです。ストーカーの話なのに曲と繋がっている。音楽クリエイターの話なのかなと思って惹かれましたが、音楽の話について見られなかったのが勿体ない。

 

伏線が張ってあって、ネタバレせずにあんまり描きすぎず、だと思うんですけど、要所要所で女の人が急に怖がるとか、もっとストーカーされてるんじゃないかというのを見せた方が良かったかな。その方が泣き崩れるシーンでも本当に良かったねとなると思います。そういう風に面白くしようという意図はすごく感じました。

 

少年誌と青年誌ではリアルさや抱える悩みのレベルが違います。職業ものだと働いてる人向けのものになりがちで、そこのリアルを求めようとすると青年誌になります。

 

月刊少年サンデーGXさん

都合良く進み過ぎちゃってるかな。リアリティについていろいろと疑問点を挙げて頂きました。

 

自分「少年誌でもリアリティは求められるんですか?」

編集者さん「リアリティはうちに限らず求められます。都合良く進んじゃってる感じがします。こいつ(主人公)が実在してる感じがしない」

自分「ストーリーに当てこめちゃってるからご都合主義になってるんでしょうか?」
編集者さん「そうだと思います」

 

今日は同じ小学館さんでも編集者さんによって意見がかなり異なり、結局どうすればいいのかよくわからなくなりました。

 

運やタイミング、相性も大きいと思うので、担当さんが付くかどうかの明確な水準があるわけではないんですが、かといって今作のレベルでは恐らくどこに行っても担当さんは付かないんだろうなという感触で、厚い曖昧な膜に弾き返されているような感じです。

 

「持ち込みすればするほど良い」というのも少し違うような気がしてきています。無駄にはならないというか、無駄にしないようにはしますが、持ち込みを重ねていくうちに、何もかもどっちでもいいということが分かってきて少し虚しいです。