・ゲッサンさん
前回より改善されてる感じで良かったです。前回言ったことができてます。女の子にモテたいという動機は、形としては正しい。論理的に音楽を説明してるのも良いです。
惜しいのは、わかるんですけど、ゲーム音楽ってすげえなってところまでいってない。入りとして良いんですけど、そこをもっと盛り上げたい。ゲーム音楽ってこんなにすげえんだ、というのを全部台詞でやってしまってるので、盛り上げて。ちょっとまだローテンションで終わってしまってます。熱くなのか、何がしかの感情を想起させると良いです。
画力は、更なる向上を目指してください。背景も含めて、手を抜かずに描けるようになると良いと思います。
現実的な話になりますが、40代だと、少年誌は不可能ではありませんが、かなり限られます。着実にレベルアップしてるのでもったいねえなとは思うんですけど、少年誌、ゲッサンは厳しい。連載にたどり着けるイメージは湧かないです。年齢層が上めの雑誌に持ち込みされる方が良いと思います。この年代だと新人賞→読み切り→連載というルートが取りづらいので、その点を頭に入れた方がいいです。
ゲーム音楽の漫画はまだないっすよね。ネタとしては本当にありだなという気がします。音楽を使った漫画を単純に読み込んだ方がいいです。東京トイボックスみたいに、ゲーム音楽業界を語るとか。
・週刊少年サンデーさん
ゲーム音楽という題材の斬新さはありました。もう一つ良かったのは、ヒロインと主人公の二人で完結している点です。読み切りは二人で完結させるものですが、たくさんキャラを出してしまいがちなので、たくさんキャラを出すよりは絞った方がいいです。コマ割りとかも大きくて、一個一個の台詞がコンパクトでそこらへんの読みづらさはなかったです。
気になった点は、漫画というメディアは音が出ないので、どうしても専門的な知識が必要になってしまいます。漫画を研究して、音が聴こえるように演出として発明して欲しいです。例えば、ブルージャイアントは、音や音圧を徹底的な背景の描き込みで表現しています。演出で、漫画というメディアの弱点はリカバリーできるかなと思います。
背景については、一朝一夕でどうこうできるものでもないのですが、妥協せずに最後まで描き込むのが一つアドバイスです。
もう一点気になったところは、「ゲーム音楽を作りたい」と「モテたい」の2軸になってしまっているので、どっちに絞るか、取捨選択の余地はあったかも知れません。
・ビッグコミックスピリッツさん
すごく読みやすくて、話も分かりやすかったです。ゲーム音楽の作り方も丁寧に説明していて、話すの上手そうだなと思いました。教え方が上手いというか。作曲がタピオカになったことで、わかんなくても良いとなった時に読めました。
男女の物語も丁寧に進められています。ツッコミがけっこう適切だなと思いました。「ハオいって何だ」とか、常識ラインが自分の中にある。こういうのがあるからタピオカという外しも分かります。
もっとこうした方が良かった点としては、言葉で説明しない部分を見たかったです。何を「気持ち悪い」と感じたのか。「気持ち悪いけど嬉しい」という相反する感情の表情を見たかったです。表情で嫌そうな感情を見せれば伏線になるので。
やや音楽の情報感が強いです。入門書まではいかないですけど、「マンガでわかる」くらいの。例えみたいなのをもっと入れていくと良いです。距離を見せるとか工夫はしてるんですが、もっと。例えば、ドラムパターンを飛び石や雨で表現するとか。そうすれば、情報を入れてる感じは少なくなると思います。もっと教え方を上手くすることができる。楽譜が読めなくても歩いたことある人や雨を見たことある人はいると思うので。
キャラクターは、もっと立っていた方がいいです。岡山は変な髪型で立ってます。片喰はベーシックなデザインなので、もうちょっと。
Q. 青年誌はリアルな絵柄の方が良いんですか?
A. リアルじゃない連載作品もあるので、この絵柄でも射程としては全然あるかなと思います。リアルな絵じゃない方がリアルじゃないことが起きても大丈夫で、こうしたちょっと笑える話だと特に。
Q. 背景の描き込みはどうでしたか?
A. 白いなとは思いました。
Q. ページ数は長くなかったですか?
A. 長くなるほど推進力が必要です。ギャグやコメディは長いと難しいです。コメディなら20~30ページに収まる感じがいいです。漫画のテンポ感はお笑いと近いと思うんですが、漫画もそれぞれテンポ感があると思うので。ベンチの場面でやや失速しているように感じました。
今日は小学館さん3誌とも割と好評でした。40代で漫画家志望というのは、少年誌だと「不可能ではないがかなり限られる」ということを具体的に教えてもらえたのが何よりの収穫でした。少年誌も持ち込みは続けるかも知れませんが、少年誌ではない媒体を狙うことにしようと思います。