ワンダースワンで波形メモリ音源の魅力に目覚めた私は、波形メモリ音源を搭載しているPCエンジンはかなりイカしたハードだと思っています。しかし、リアルタイムでは自宅になく、お金持ちの友人宅で遊んでいた記憶があります。
PCエンジンは波形メモリ音源6ch、ステレオ対応。メガドライブですらステレオは左、真ん中、右の3段階にしかパンを振れないのに、PCエンジンは16段階にパンを振ることができ、8ビット機とは思えないスペック。
HuCARDというGBAのカートリッジよりも収納性が高いと思われる代物にグラフィックもゲームシステムもサウンドも詰まっており、1990年発売のPCエンジンGTはPCエンジンのゲームを携帯して遊べる神ハード。同時発音数なら1999年発売のワンダースワンのサウンド仕様を上回っていました。
開発環境としてでべろが市販されており、簡単な曲であれば作ることができます。波形やエンベロープを自作できない点や、LFOを掛けたりできないのがネックです。同人ハードの「PCE版ふぁみみみっでぃ」があれば更に作り込むことができるようで、喉から手が出るほど欲しいです。
波形メモリ音源のポテンシャルの高さについては、後日、ワンダースワン音源の記事で詳しく書きたいと思いますが、PCエンジン音源もワンダースワンと同じ波形メモリ音源なので、ワンダースワンのようにサンプリング音源のような音も鳴らそうと思えば鳴らせるはずです。そういったゲームがないのは、当時まだサンプリング音源のゲーム機がなかったからではと推測しています。
PC-FX音源の記事でも書きましたが、後継機のPC-FXがPCエンジン音源と同等なのは、個人的には十分な音源スペックだと考えております。
拙作のPCエンジン音源の曲を紹介させて頂きます。
「蠢く卵」
カマキリやカニの卵のように、無数の幼体が誕生する不気味で神秘的な光景をイメージしました。サンサーラナーガの竜の卵でも良いと思います。
「眠らないエルドラド」
アトリエシリーズ風の曲をPCエンジン音源で作りました。アトリエシリーズ風×PCエンジン音源はなかなかない組み合わせかと思います。
「風が鳴る草原」
HuCARDのアクションゲームにありそうな曲です。後半のディレイがかかったメロディがいかにもPCエンジンっぽいと思います。