今日は、アース・スターエンターテインメイトさんに行きました。「花恋ちゃんはモテたい!」のネームも見て頂きました。持ち込みを踏まえて変更すると思いますが、まだXでは3ページしか公開してないので、若干ネタバレを含みます。それでも良い方のみお読みいただければと思います。
・コミックアース・スターさん
「ののみやのののの」
面白かったです。天使ちゃん可愛いですね。のののちゃんも名前も顔も「の」に特化していて、めちゃくちゃ可愛いです。
5W1Hをわかりやすく。野々宮女学園は着いてから、しっかり大ゴマを取って、紹介した方が良いです。これが通学路なんだよとか、スクールゾーンと書いてあるとか。そこがわかりやすくなると、混乱しにくいかなと思います。
願い事シートというアイテムがあるのはすごいいいです。この情報を前の方で出しておくと良いです。ここに書いたものを叶えてあげるんだという。アンジュちゃんも、願い事シートを見た後で見るという動きがあると良いです。
いろんなギャグ詰め合わせで面白かったです。男の子とぶつかりそうなタイミングでアンジュちゃんがどこにいるのか、位置関係を描く。走った勢いで男の子も天使ちゃんも吹っ飛ばすとか。1ページ1ボケの怒涛な感じは良かったです。
1ページ目の目的に対して、4ページ目から新しい願い事をもらうのがちょっとブレに繋がっているのが勿体ないですね。大きな問題はないですが、理想的なのは、のののちゃんの願いを叶えることで一貫していることです。どうせなら、素敵な願いを叶えたい、こんな願いを叶えたいんじゃないのに、というのが良いと思います。当初の目的とブレすぎていないか、1ページ目の目的とブレすぎていないか確認すると良いです。
引きの絵が現状ないので、教室の風景を入れるとか、場面転換を大きいコマで取ったほうが見落としにくいと思います。
女神様がなかなか笑わないのが面白いなぁと思いました。のののちゃんと天使ちゃんの掛け合いも魅力的だと思いました。終盤以降の畳みかけは良かったです。12ページできれいにまとめられているので、のののちゃんの願い事も叶えようという話であと1ページ足しても良いかなと思いました。
Q. ギャグテンポが速すぎるとか、緩急が足りないということはなかったですか。
A. 緩急が付いてないことは、私は感じなかったです。1ページで1ボケ以上、ラストスパートは2ボケ、3ボケ、案内したうえでやっているので、良いと思います。
「花恋ちゃんはモテたい!」のネームについて
ネームと言っても、けっこう描き込んでますね。キャラクター設定の絵も、すごく線が良いですよね。コマに落とし込むと等身が大きくなっちゃう傾向がある気がします。立ち絵の等身はめちゃめちゃいいと思うので。
真面目ちゃんだった子がモテたいという、全体的な作りは面白いなと思いました。最初のコマは、化粧品売り場にいるキラキラした女性をイメージした絵を描いて、恋をまだ知らない子を最後に持ってきても良いと思います。イメージと、現実の私はこうです、と。もしくは自室にして目標を描いてるとかも可愛いと思います。花恋ちゃんに一人部屋がなくて、お兄ちゃんとも同じ部屋しかなくて、恋してみたいと言ってもズカズカ入ってこられる、という状況を描くと良いです。1ページ目とても大事なので。なるべく1ページでよりわかりやすく伝えてもらえると。
服装であったり、部屋にある小物とかを、もっとズボラにしてあげても良いと思います。眼鏡をかけさせてあげても良いと思います。学級委員とか日直の仕事を押し付けられて、やっぱりそう見られちゃうんだと。女性キャラを描くのお好きだと思うんですが、男の子を描くのも挑戦しているのは良いと思います。花恋が人の名前で笑っちゃうというのは男の子っぽいとは思うんですが、第一印象が良くなくなっちゃうので、危険な賭けだと思います。小学生男子みたいなのだったらありだと思います。何でここで笑わせたかったのかを突き詰めて頂けると。三狼のほうが名前が変だよ、というのが読者さんにプラスになるように。
三狼くんは特殊能力で相手の本音を見抜いちゃうんですか?
(自分)特殊能力というわけではないです。花恋と家庭環境が全く同じで、どちらも三番目の子供で、花恋は殻をぶち破れてないのに対して、三狼は自分の意志で殻をぶち破った側の人間で、だからモテたいという花恋の本音を見抜けたという設定です。
(編集者さん)モテたいとか青春謳歌したいタイプだと見抜いてるっていう感じですね。そこのさじ加減というか、共鳴する部分が花恋にはあるんだなというのを見せられると良いと思いました。
花恋の徐々に変わっていく過程が可愛らしいなと思いました。俺デレを花恋は知っていたんでしょうか。SNSを制限されてるという情報はいらないかも。そのほうが、お前も同じ境遇だよっていうのが伝わりやすくなると思います。だから二人は共鳴できたという、ある種種明かしというのが大事だと思うので、そこを落とし込めると良いですよね。
花恋が父親に反抗する時の顔、すごい可愛いですね。完成原稿にしたら、女の子らしくかわいくなりそうです。三狼くんが褒めてくれるところが良いと思いました。共感で痛いほどわかる、純粋な親切心で、すごいポジティヴな親切心だと思うので。三狼に恋心はあるんですか。
(自分)最後の表情的に、そういう気持ちはあるとは思いますが、それを描いちゃうと話がブレてしまうので、モテたいというテーマに絞りました。
(編集者さん)そうですね。読者はジャンルを定めて読むので、恋愛ものじゃないよというのをある程度出しておくと良いです。現時点でラブではないけど、プロデュースしてやるよ、というのが良いかも知れません。作品を絞り込めていくと良いと思います。
Q. ページ数はどうでしたか。
A. 長くはなかったです。読み切りでも、今は30ページ以上の長編はザラなので。
Q. 「ののみやのののの」と比べると、「花恋ちゃんはモテたい!」のほうは話がブレないように気を付けたんですが、ブレているところはありましたか。
A. 「モテたい」で一貫しているので、ブレは感じなかったです。三狼くんが、俺がプロデュースしてやるよ、と言う始まりだと良かったと思います。三狼くんにどういう意図があるのか、いい意味で匂わせても良かったと思います。男子に絡まれたら、花恋ちゃんに言わせちゃっていい気がしますね。キャラは動機に基づくのが大事なので、三狼くんはどうしてモテたいのかが描けると良いと思います。
「ののみやのののの」も割と好評でしたが、「花恋ちゃんはモテたい!」はネーム的にはだいぶ高評価だったのではと勝手に思っています。特に、話がブレてないと言ってもらえたのは初めてな気がします。せっかくまだネーム段階なので、多少直そうと思いますが、根本的に変更しないといけないところはなさそうです。
詳しいことは後日、ブログかnoteで書こうと思いますが、「花恋ちゃんはモテたい!」は無理して描いてるわけではないのが強みです。自分自身が最近いろいろ手を出してかっこつけており、自分なんかにかっこつける資格があるのかという葛藤があり、それを花恋に投影して描いています。なので、リアルだし、訴えたいことも読者さんにストレートに伝わると思います。作画を頑張れば、今度こそ良い結果になる可能性があるんではないかと思いつつ、SNSでバズ等を狙うのも効果的だと思うので、いろいろやってみます。