今日は、講談社さんに行きました。新作のネームは結局間に合わず、『天使ちゃん』のネームも、時間的な都合で2誌とも見て頂くことはできませんでした。
・アフタヌーンさん
アンジュちゃんとのののちゃんがかわいくて。予想外のことをしてくれるのって面白いですよね。急にまともにならないでよっていうギャグがすごい好きでした。アンジュちゃんの表情が良かったです。焦りツッコミの時の顔とか、表情が良かったです。
何をするのか、何をしちゃダメなのか、この二人にかかっている制限がよくわからないです。バレちゃダメなんだよって話も、何をしちゃいけないのかとか、それを超えてくるのののちゃんを描いた方が面白いと思います。
「悪魔のネムネムちゃん」という作品が、ドラえもん型のような話で参考になります。ドラえもんはゴールがありますよね。アンジュちゃんが願い事を叶えることでどうなるのか、のののちゃんの願い事を考えることでどうなることがゴールなのかがあったほうが良いです。アンジュちゃんに出世欲があって、のののちゃんのお願いを叶えさえすれば、大天使になれるとか、天使が介在することがバレたら大天使になれるとか。それをのののちゃんが学校に着くまでの間で伝えておかなきゃいけないと思いました。願いを叶えることがざっくりしてる感じがして、洗濯機が壊れたから代わりに洗濯して、というのも、最後のオチは洗濯の仕方がわからないとか、のののちゃんがやらないといけないことに干渉してくるストーリーラインが良いと思いました。のののちゃんが奇想天外な行動を繰り返すからアンジュが願い事を叶えられないとか。
女神様も、出すならちゃんと出してあげたほうが良いと思います。大天使さまもいったいどこにいるんだろうという感じがしました。
アンジュちゃんのツッコミも、のののちゃんと出会うことで開花するとか、前振りがともかく大事だと思います。前提条件を出してどう変化していくかがギャグだと思うので。
少女漫画風に描くターンと、不条理にやるターンで、絵柄の落差があったほうが良いです。少女漫画タッチ風のところと、ギャグ顔になるところを分けると良いと思います。のののちゃんの目力も、「の」だと弱いので、すごいギャグの時だけのになるとか。すごいデフォルメされているギャグ漫画は、悲しいかな羽ばたいていかないのも事実なので。
1ページ目の「ここは野々宮女学園」のコマをどういう順番で読めばいいかがわかりにくかったです。学校に入る直前に、このセリフを入れたほうが良いと思います。場転がすべて学校の遠景なのも気になりました。
Q. ギャグのテンポはどうでしたか。他誌さんで、緩急を付けたほうが良いというご意見を頂いたんですが。
A. 少女漫画タッチとギャグタッチを使い分けするというのが緩急になると思います。のののAとのののBのあたりからパンパン流れていくとか。ストーリーラインがないから、緩急がないんじゃないかと思います。
(自分)アンジュが願い事を叶えられない焦りがあれば、これはギャグじゃないですけど、緩急の緩になるということですね。
(編集者さん)そうですね。「悪魔のネムネムちゃん」みたいに、作家さんのフェチズムがあると良いです。ギャグだけだと購買に繋がらないので、ご自身のフェチズムをもっと入れてあげてもいいんじゃないかと思いました。
Q. アンジュの目的が、富士山のてっぺんまで洗濯をしに行くのが嫌だから、それを何としても回避したい、というのがあったんですが、それ以前のなぜ願い事を叶えたいのか、があった方が良かったということでしょうか。
A. はい、願い事をそもそも叶えないといけない理由があると良かったです。洗濯が嫌だっていうのと、新しい願い事シートをもらうというのと、いろんな軸ができてしまっているので。新しい目標を途中で出さないほうが良いと思いました。
・モーニングさん
(編集者さんB)ギャグ漫画をずっと描かれてるんですか。
(自分)今までギャグっぽいのが多かったんですが、コメディが多く、今回は初めてギャグに振り切って描きました。
(編集者さんB)お好きなギャグ漫画家さんはいるんですか。
(自分)ギャグというか、最近はエッセイを描かれてるんですけど、桜玉吉先生のファンです。あとは、和田ラヂヲ先生のファンです。
(編集者さんB)少女漫画風ですけど、どのくらいの年齢層を意識されたんですか。
(自分)ドラクエのマドハンドネタとかは若い人は伝わらないと思うので、ネタ的にはけっこう上の年齢の方向けに描きました。
(編集者さんA)出てくる女の子を可愛く見せるところはしっかりできていて、要所要所は可愛く描けてると思いました。ギャグはちょっと弱いのかなと思いました。ページ数を短くまとめてるんだと思うんですが、天使とこの子の関係性が進むのがちょっと早いです。
どんな願い事を叶えているのかを描いた方が良いと思います。普段の願い事を叶える仕事をしているくだりを描くとか。ポッキーが折れちゃったから元に戻してとか、スケールが小さすぎる願い事とかだと面白いと思います。
全体的に、背景とかもできれば描いてほしいです。どういうところで動いてるのかイメージしやすいんで。背景の描き込みは意識してもらえたらと思います。
(編集者さんB)終盤のネタがわかりづらかったかなと思います。最後の「ののの」のくだりとか、わかりやすい笑いにしていただいたほうがいいのかなと思いました。キャラクターがいまいちつかめてないです。こういうことしてる子なんだというのがノイズになってしまっている感じがしました。のののちゃんが天使を振り回しているとかだと、話の筋もわかりやすいと思いました。
Q. 洗濯機が壊れたから洗濯して、というボケに「コインランドリーに行け!」とツッコむところがあるんですが、前振りとして普段はすごい大きな願い事を叶えている、とかがあったほうが良かったですか。
A. 洗濯機って結構ありがちだと思うので、もうちょっと、そんな小っちゃなことかい、となるような、スケールが小さいことの方が良いと思います。これだと本当に悩んでることで、一人暮らししている人の悩みっぽいです。女子中学生の悩みの方が良いです。
Q. ギャグを100個考えてから描いたんですが、他社さんでこのキャラじゃなくても良いギャグになってしまっているとご意見を頂きました。やるなら、キャラを立ててからギャグを考えたほうが良いんでしょうか。
A. キャラクターベースでギャグを考えたほうが良いと思います。このキャラクターだからこれをしゃべってると面白い、とやったほうが良いと思います。
Q. この天使の子に、昇進したいとか、目的があったほうが良かったですか。
A. その方が良いと思います。こんな小さいことをやっていたら、私は大天使になれない、とか。
今日は「ののみやのののの」だけで勝負することになり、ちょっと恥ずかしかったです。本当は『天使ちゃん』みたいなダークな話も描けるのに、と心の中で思っていました。まぁ、ギャグ漫画家さんは真面目な人が多いという話をネットで見たので、ギャグ漫画を描いてる=薄い人というわけではないとは思います。これをやったらやりすぎという常識ラインがしっかりしてる人なんだ、と汲み取ってもらえていたら嬉しいです。
読んでいただいている間に読ませてもらった青年漫画を読んでいたら、青年漫画というのは絵柄もストーリーもリアルなものが多く、自分の作風が恥ずかしく思えてきました。ビジネス漫画を描けるような経験もないし、ストレートに青年漫画で勝負するのは自分には無理かもと気後れしています。『天使ちゃん』みたいな心理劇っぽいものなら描けるので、可愛い絵柄×シリアスな話で勝負するのが良いのかも知れないです。
また、今日の持ち込みで「主人公がなぜこれをやるのか」「これをやるとどうなるのか」「これをやらないとどうなってしまうのか」などを定める必要があることが、ちょくちょく言われてはいるんですが、改めてわかりました。ロビーでの待合時間に、新作ネームについて、ChatGPTに対してアイデアを出しまくり、まとめてもらったり、たまにアイデアを出してもらいました。ChatGPTはまるで感情があるかのような文体で返してきますが、実際は感情も自我もなく、基本的に全肯定してくるんで、AIに導いてもらおうとするのではなく、あくまでも自分で取捨選択していくスタイルでいかないと迷走してしまうと思います。
メッセージ性が当初とちょっと変わってしまいましたが、新作ネームのタイトルは「宇崎ちゃんは遊びたい!」みたいに、「花恋ちゃんはモテたい!」にすることにしました。これは面白くなると思います。明日までにはネームが完成する予定です。