テントのブログ

漫画家デビューを目指す道のりや、自作のゲーム音楽など創作活動全般について綴ります。また雑記なども書きます。

【持ち込みレポ096】なかよしさん、月マガさん、週マガさんに行きました

今日は、講談社さんに行きました。「いじわる大好き天使ちゃん」のネームとキャラクター表も、一緒に持って行きました。

 

・なかよしさん

「ののみやのののの」だけ見て頂きました。

 

ギャグ漫画がお好きなんですか。面白かったです。天使ちゃん可愛いですね。

 

すごく面白かったなと思いました。天使だからできることがあっても良いかなと思いました。

(自分)アンジュは飛べる以外の特殊能力がないんですが、何かあったほうが良かったですかね。

(編集者さん)せっかく天使を描いているので、天使である意味があった方が良いですね。このくらいできないとダメだろと感じられる意味合いとかあると良いです。

 

絵柄はすごくかわいいと思いました。背景が白めなので、もうちょっと描き込みが欲しいです。背景とか入れられるようになると、コマ割りとかを工夫して練習されるといいのかなと思いました。

 

コミカルで面白いなと思ったので。(いじわる大好き天使ちゃんのキャラ表を見て)少女漫画であればこのくらいキャラが描けていれば良い感じだと思います。のののちゃんの目は『の』にかけて目が『の』になっているんだと思いますが、ちょっとシンプルかなという感じがしました。もうちょっと髪型も凝っていると良いです。目が『の』になってるよりは、『の』の内側をキラキラさせたりしようはあるという気はします。

 

天使がオーソドックスなので、少女誌であれば、女の子がもっとキラキラしてたり、服装をもっと凝ったほうが良いです。

(自分)他誌さんで、ギャグ漫画でも女の子が可愛いに越したことはないと言われました。

(編集者さん)はい。男性も可愛い女の子に越したことはないと思うので。

 

Q. ギャグを100個考えて、推敲しながらネームを切ったんですけど、そうしたらキャラに基づいてないギャグになってしまいました。ギャグを考えるなら、キャラを立ててからのほうが良いですか。

A. 100%キャラに基づいてではなくても、混ぜると良いと思います。このキャラだったらこういう行動をするなとか。

 

Q. このキャラクター表を描いた時は、完成原稿の時よりは画力が上がってると思うんですが、デザインはこんな感じで大丈夫ですか。

A. どこを目指したいかによります。他の雑誌さんが第一志望であれば、変わってきます。服装が一番流行が出るところかなと思います。

 

月刊少年マガジンさん

「ののみやのののの」について

面白かったです。けっこう笑っちゃうところも多かったです。テンション高めなんでなかなかついていきづらくもなりかねないという感じなんですが、この二人の関係性というか雰囲気に飲まれた感じで、単純に楽しく読ませて頂きました。

 

絵のところで、抜くところは抜いて良いと思うんですけど、もっと頑張りたいです。絵は前と変えましたね。4コマ的な感じがするっていうか。白い感じのイメージが強くなっちゃって、下書きに見えてしまうというのがあるかと思います。

 

何の話なのかはわからなくなっていたところがありました。『ののの』ネタはすごく面白かったですけど、どんどん話が変わっていった感じがして、願い事を叶える話で一貫した方が良かったです。1個1個のネタは面白いと思うんですけど。コメディは全然悪くないです。一貫したお話を作るというのが欠けてしまっていました。前はそういう感じはなかったので、作風が変わったせいもあると思います。1ページ1ページのつながりがわからなくなったぶん、それが読みづらさになっちゃったかなと思います。

 

コマの展開だったり、ページの使い方だったりがもうちょっと良くなると良いです。繋ぎ言葉があんまりないです。めくるところとか、ページの中もそうなんですけど、会話の感じがちょっと足りないです。やりたいことはけっこうわかるというか。単純にクオリティを上げていって、読みやすさ、読ませるものにする。ネタを大事にする、流れを意識して台詞を作っていく。

 

「いじわる大好き天使ちゃん」のネームについて

のののの方が良いです。文脈やつながりがけっこうわかりづらかったです。いじわるの定義も、よくわからないといえばわからないです。いじわるしたからどうなんだとか、途中で何をしてるのか、天使が何をしたいのかいまいちわからなかったです。わかるんですけど、理由と行動が結びついてるかっていうと、そういう感じがしなかったです。

 

ユウマくんのことが好きで、無計画だったり、その場の感じで行動しちゃうのをやめてほしいということだと思うんですけど、であれば、それを言葉にして印象的にすると良いと思います。ピアノ教室を休むくだりも、ピアノ教室の先生がどう思ってるのかもわからないです。

 

天使が単純に嫌な奴に見えて、好感度をちゃんと上げたほうが良いです。それぞれがそれぞれで自己主張していて、ちょっと混沌とした感じになってると思いました。

 

いろんなものが抜けちゃってて、例えば、ユウマくんに羽が刺さって大変じゃん、という時にリアクションが描かれてなかったりして、この人たちはまともなのだろうか、と正直思っちゃったかな。「それ私が言いたかったことだよ!」は、ちょっとヤバい奴だと思っちゃいました。起承転結をもうちょっとまっすぐつなげられると良いです。どういう人だと見てほしいのか。このお話をこのままやってももったいないなと思うので。

(自分)『ののの』のほうは、できてたということなんでしょうか。

(編集者さん)どちらかというと、あまり良くないです。そんなことより、コメディとしては面白かったんですが、そこは甘んじず。12ページ以上のものを読んだ感じはしました。自信を持っていただく作品ではあると思います。

 

キャラデザに関しては、こういう女の子が描けるんだと思いました。でも、表情がちょっと古いです。今の絵がどんな感じか、ファッションとかを調べると良いです。でも全然、悪くないですし、天使は天使っぽいです。画力が足りないというより、密度とかの問題だと思います。方向性として全然悪くないと思います。

 

Q. どちらの作品もそうなんですが、コマ割りが四角ばかりになってしまいます。もっと斜めに切ったり、変形ゴマとかを入れたほうが良いですか。

A. コマ割りは基本は四角なので、そこは悪くないかなと思います。メリハリを付けるとか。今のコメディだと内容にメリハリがあるので四角でも良いんですが、そういう意味では、バトルとかアクションで四角だと、画面が動いてない感じがすると思いました。ページの2分の1を使ってるコマがけっこうあったので、もっと詰められるかなと思います。基本は四角で、そこから発展させるところだと思うので。

 

週刊少年マガジンさん

「ののみやのののの」について

(編集者さんA)テンポ感も良く、スラッと読めたのが良いなと思いました。テンポ感がいいなと思ったんですが、ちょっとテンポが良すぎるというか、早すぎて、ギャグ一つをとらえるっていうのが難しかったです。立て続けにツッコミが来るので、どこで笑うのか迷ってしまいました。「しかのこのこのここしたんたん」が参考になると思いました。

 

全部どこかで見たことあるシーンというか、新しさがなかったのかなという気がします。キャラクターの画角がわりと単調で、もっと変なポーズを取ったりとか、すっとんきょうなポーズをしても良いと思います。

 

(編集者さんB)目がいいですね。このくらい他の部分も描き込めてると良かったです。髪の毛の描き込みが足りなかったり、デッサンが狂ってたりするので。画面作りでの意識をしないと、少年誌では厳しいかなと思います。瞳がこんなきれいに描けているのに、めちゃめちゃ悪い言い方をしてしまうと、手抜き感があります。

 

内容に関しては、正直目が滑っちゃう感じがしました。言うべきことが抜けてしまっていて、リアクションとか、この時点でどうなっているのかが足りないです。ゴボウをくわえてるコマも、「なんかゴボウくわえてる!」とかのツッコミのほうが良いと思います。細かいリアクションがなんか飛ばされてる感じがしました。

 

台詞選びも絵も、ちょっと雑ですね。ここらへんは意識高くしないと読者は楽しめないです。話の内容についていくのに精一杯になってしまうと思います。

 

「いじわる大好き天使ちゃん」のネームについて

(編集者さんB)けっこう抜け落ちてしまっているところが多いんですよね。「連れてって」とかも、どこに連れていく話なのかとか、一個一個の情報が抜け落ちてしまっていて、そこが非常に勿体ないです。瞳以外の部分が全体的にできてない感じがします。

 

(編集者さんA)天使が、闇属性じゃないですか。違和感っていうか、天使なのと悪い奴なのと情報が多いので、キャラクター的に好きになる人が少ないんじゃないかと思いました。

 

ストーリー的に意外性も特になかったので、このネームはもうちょっと改善の余地があるのかなと思いました。このお話のメッセージ性は何ですか?

(自分)前半は、自分をしっかり持ちなよ、と言っていて、後半から一歩踏み込んで、傷付け合うから一緒にいられるんだ、という話になってます。

(編集者さんA)そうですか。メッセージは一回読んだだけでは受け取り切れなかったです。2つのメッセージをどっちかに絞ってもいいかと思います。

 

Q. ギャグのテンポは良かったですか。

A. テンポは早すぎるのかなと思いました。

(自分)一回一回落としたほうがいいんでしょうか。

(編集者さん)一回やってみて、調整していくのが良いと思います。どういう状況にあって何が面白いのかを伝える練習をすると良いのかなと思います。

 

Q. 「いじわる大好き天使ちゃん」のキャラ表の絵は、これでいいとは思わないんですが、自分の今の最高の作画なので、このくらいで描けたら、変わってきますかね。

A. 変わるとは思います。でも、まだ全然足りないです。キャラっぽさをデザインに落とし込むと良いです。デッサンで、指がおかしかったり、太もものラインも太すぎたりしているので、そもそもの基礎画力が必要だと思います。

 

なかよしさんは、1作目以来、2回目の持ち込みです。男性でも基本的に断らないとは思うんですが、出張編集部にもあまり参加されてないですし、そもそも持ち込みの予約を入れること自体がハードルが高いと思われ、自分は少なくとも、電話をする時にめちゃくちゃ緊張しました。記念的に優しくしてくださった感じではなく、フェアに他の作家さんと変わらずに対応していただいた感じで、その上でキャラデザが可愛いと褒めてもらえたのが嬉しかったです。今描いている作品が完成したら、また持ち込みに来ても良いですか、と確認したら、無事了承いただけました。

 

今、少女漫画熱が再燃と言っていいのか初燃と言っていいのか、電子版で雑誌を買って読み漁って、勉強しています。とりあえず、次回作までは少女漫画風で行く予定なのと、直接持ち込みの許可ももらったので、なかよしさん、りぼんさん、花とゆめさんには次回持ち込みさせて頂く予定です。この方向でずっと行くかどうかはわかりませんが、キャラについて「可愛い方が良いです」というご意見も頂いたことですし、絵柄が少女漫画風である分には他誌さんでも通用するのかなと思いました。

 

「ののみやのののの」が割と好評で良かったです。やっぱり、良い評価をくれる編集さんもいれば、悪い評価を下す編集さんもいるので、いろんなところに持ち込んでみないとわからないもんだなと思いました。

 

「いじわる大好き天使ちゃん」のネームは、自分ではすごく深いものが描けたと思っていたんですが、2誌とも評価が芳しくなく、ショックです。ネームなので、これから直していこうと思います。もうちょっとシンプルにできれば、その方がわかりやすいのかなと思いました。「本心では良くないことを考えてるんだけど、優しくすべきだとも思う」という葛藤を描いたつもりなんですが、こういう葛藤の毒を編集さんがどう受け取ったのか気になりました。編集さんも、手厳しいご意見を言う側面と、優しく対応する側面と二つ抱えて対応されていて、深く刺さるほどにはいかなかったかも知れませんが、こういう葛藤の話は伝わるんじゃないかと思います。

 

手抜きは良くないんですが、確かに手抜きになっちゃったなと自覚しつつ、それでも持ち込みするというのも、ある意味必要なんじゃないかと思います。わかっていて手厳しいご意見を頂くのはけっこう辛いです。でも、いつも100%の実力を出せるとは限らないので。