テントのブログ

漫画家デビューを目指す道のりや、自作のゲーム音楽など創作活動全般について綴ります。また雑記なども書きます。

【ゲーム音楽語り001】PC-FX音源はけっこう良い

第1弾は、PC-FX音源について語りたいと思います。

 

PC-FXは、3DO、プレステ、サターン、NINTENDO64などが現れた頃にPCエンジンの後継機ということでNECが出した家庭用ゲーム機です。

 

そのPC-FXの内蔵音源が、波形メモリ音源6音、ADPCM2音と、32ビット機にも関わらず、8ビット機のPCエンジンとほぼ同等で、あまり評判は宜しくありません。

 

今でこそ電子音やチップチューンはけっこう人気がありますが、当時の風潮的に、プレステですら初期はCD-DA音源を使うソフトがあり、内蔵音源はあまり好かれていなかった記憶があります。

 

PC-FXは恐らく、波形メモリ音源を使用することをあまり想定しておらず、ADPCM音源やCD-DA音源があるから十分だろう、と判断して波形メモリ6音になったんじゃないかと思います。

 

しかし、PCエンジンのHuCARDの名曲は評価が高いのに、PC-FX音源の曲が評価されないのは変だと思いませんか。

 

そもそもPCエンジン音源が8ビット機のわりに凄いんです。波形メモリ6音、ステレオ対応、ADPCM1音ですから。

 

そのPCエンジン音源と同等ということは、少なくともPCエンジンの名曲レベルの音楽は鳴らせるわけで、しかもADPCMは2音に増えています。曲さえ良ければ、プレステやサターンとも渡り合えたのではないかと思います。

 

PC-FXのソフトは、岩垂徳行氏や崎元仁氏などのレジェンドがADPCM音源やCD-DA音源を使っており、波形メモリ音源を使い込んだ曲が少ないのも評価が低い一因かと思います。

 

プレミア品なので持ってませんが、「天地無用!白亜邂逅」「天外魔境 電脳絡繰格闘伝」はかっこいい曲が多いです。「ブルーブレイカー」は手に入りやすいソフトの中では良曲が多い方だと思います。

 

PC-FXはGMAKERという開発環境があるものの、サウンドドライバを自作して配布してくれる猛者が現れず、GMAKERスターターキットプラス付属の簡易ドライバしかありません。これが「簡易ドライバ」という名称の通り、簡易的で非常に使いにくいです。もっと高性能だったらと思うのですが…

 

手前味噌で恐縮ですが、GMAKERの簡易ドライバで作った曲を紹介させて頂きます。

 

youtu.be

 

「夜空に続く遊歩道」

PCエンジン音源と差別化する方法が思い付かず、90年代後半のテレ東の深夜アニメ風というコンセプトで、PC-FXっぽく作りました。

 

youtu.be

 

「叙情のお囃子」

こちらは、プレステ音源に対抗できる曲を作ろうと攻めた曲です。ミュゼット、アコーディオン、フルートなどを使って、アルトネリコのような曲風で、柔らかい曲にしました。尚、この曲でようやくパンの設定の仕方がわかりました。

 

GMAKERのパンの設定は0から255まであり、PCエンジンよりパンの設定が細かいのでは、と思ったんですが、実はPCエンジンと同じでした。PCエンジンは左と右で16段階ずつ音量を設定してパンを振るんですが、PC-FXも同じ仕様です。左16×右16で、0~255まで値を設定できるようになっているようです。

 

同人誌なので好き放題にやらせて頂いた「G.M.HOLIC」のボイスドラマでも、PC-FX音源とブルーブレイカーを扱っております。

 

ボイスコ様方の演技も素晴らしく、主人公のU(遊)とI(愛)の魅力をいっそう引き立てて下さっています。ぜひ聴いてください^^

 

youtu.be

 

以上、PC-FX音源はけっこう良い、という記事でした。