今回のコミティアは、知り合いのサークルさんが売り子をしてくださり、一日出張編集部に専念することができました。ご協力ありがとうございました。
今作から持ち込みレポをnoteに移行しようかなとも思いましたが、自分は異常な頻度で持ち込みをするので、noteに全部アップしたら迷惑だろうと思われ、はてなブログのほうで今まで通りアップしていこうと思います。
10作目の「ののみやのののの」と、コルクさんの課題で描いた「いじわる大好き天使ちゃん」の2つを持参して持ち込みしました。事前にChatGPTに相談しまくり、作品と媒体の相性、時間帯から推察される心理状態などから最も良いと思われる順番を出してもらい、完全にその通りに持ち込みしました。いつもは行きたい順で行くのですが、行きたい順で行くことで想定されるメリットが考えられず、そんなことで失敗こきたくないので。
・COMICリュウさん
楽しく読ませて頂きました。全部名前が「の」ばっかりで、ひたすらギャグでハイテンションで良かったと思います。
一発ネタは受けたら良いんですが、読者からしたらすぐ冷めてしまう可能性がある。ギャグの質もちゃんとしてたんですが、すべてのことがギャグ一発ネタで構成されちゃっていて、何?と言われたら、何なの?どういう漫画かを聞かれた時に説明できるかというと。ギャグ一辺倒というか。
「のののの家が富士山のてっぺんにある」というのが本当なのかギャグなのか、これは本当なんだ、ギャグなんだ、というのが読者にわかるように。ギャグ漫画に疑問って欲しくないんですよ。疑問をいかに持たせないようにするか。
「いじわる大好き天使ちゃん」については、3ページで終わるのは良かったと思います。このくらいのギャグの強さだと良いです。後半シリアスなのも、シリーズ化するなら、後半の話も必要になります。ギャグ漫画とは言え、キャラを見てもらいたいので、そういう意味では後半の深掘りが必要です。
Q. 「ののみやのののの」は、ギャグに特化して、メッセージ性ゼロのつもりで描いたんですが、メッセージ性はあったほうがいいですか?
A. メッセージ性はいらないです。どちらかというと、頭に残らないものとして描いた方がいい作品ではあります。これは嘘じゃない、ボケじゃないというのをしっかり。読み終わって後に笑って終われるか。
Q. ページ数はどうでしたか?
A. 12ページでも若干長いかも。オチをもっと大きいものに変更するか、凝縮した方が漫画的には良いです。
・シャインパートナーズさん
良かった点としては、アンジュの表情も動きも女の子っぽさがあって良いです。女の子の特徴を掴んでいると思いました。パロディネタもいろいろ多くて、皆にわかるようなパロディネタも多くて、お上手だなと思いました。コマの余白が気になるんですけど、キャラの印象が伝わりやすいのも良かった点だと思います。
のののちゃんと天使のボケとツッコミの掛け合いをわかりやすくするといいかなと思いました。背景トーンがあまり意味をなしてない。キャラクターの台詞とか動きに合わせたものを選ぶと良いです。
「いじわる大好き天使ちゃん」について
キャラはすごくちゃんと描けてるんですが、背景も描けるようになると、より世界観に入り込めるようになると思います。ギャグのテンポはすごい良いなと感じてたんで、もっとギャグにするなら、天使ちゃんがもっと不憫な目に遭っても良いです。漫画なので、もう少し悲惨な目に遭っても、ギャグとしては成立すると思います。そこをコメディとして強くやっていけるといいんじゃないかと思いました。
Q. ギャグに特化して、メッセージ性ゼロで描いたんですが、どうでしたか。
A. 連載向けとなると、主人公が何をするかわからないと。何も考えさせられないよりかは主人公がこれをやっていくんですよ、というのが最低限必要かと思います。
Q. ページ数はどうでしたか。
A. ページ数は長いとは思わなかったんですけど、天使ちゃんが何をするのか、何をしたのかわからないと、結局どういう話だったのか分からなくなってしまうので。
Q. シャインパートナーズさんはタテスクでカラーの漫画が中心だと思うんですが、白黒の漫画だと厳しい感じですか。
A. 見開きもやってはいるんですけど、見開きは群雄割拠なので、タテスクのほうが市場があまり開いてない分、競合相手は比較的少ないです。
・コミックフラッパーさん
コマが多いです。ギャグだったら4,5コマですね。ボケ、ツッコミのテンポがすごくいいのにもったいなく感じちゃって。
ギャグだからSDっぽい、天使ちゃんはかわいらしいんですが、等身が安定してなかったり、頭がちょっと大きかったりするのが気になりました。せっかくかわいい女の子が主人公なので。あと、「のののの前でのののののの話しないでなの」のくだりは、メタっぽすぎるというか。
キャラクターに関して、あんまり天使ちゃんが魅力的に思えなくて、ただいじわるしてやりたいだけの奴なのが。天使ちゃんのやきもちとかそういうところを見せてあげたほうが、感情を見せるにはその方がいいのかな、せっかくかわいいキャラクターなので、もったいないと思いました。
Q. 「ののみやのののの」と「いじわる大好き天使ちゃん」どっちが面白かったですか。
A. 商業っぽいのは「ののみやのののの」、「いじわる大好き天使ちゃん」は、同人っぽいです。
Q. 面白いギャグはありましたか。
A. 全部サクサク笑えて楽しいんですけど、「弁当持ってきてたんかい!」とか、「マドハンドか!!」は個人的に好きです。
・ガンガンJOKERさん
画面が整いすぎてて、読みづらさを感じました。キャラクターの顔がメインで出てくるので、今何が起きてるのかわかりにくいです。画面のメリハリを利かせたほうがいいのかなと思いました。女神様のコマも、どこで何が起きてるのかわからないです。
「洗濯機が壊れたから代わりに洗って」のコマも、洗濯機が壊れた絵を見せるとか、今のだと、文字を見て笑ってねって感じなので。お笑い芸人の手で笑わせる感じが現状ない感じです。
絵周りの話なんですけど、紙に対して一体感がないのが気になりました。目指す絵柄が、どういった絵でどういった愛され方をしたいのか定めると良いです。
「いじわる大好き天使ちゃん」は、カップルを破綻させる話の方をメインにしたほうが面白いと思います。
・花とゆめさん
時間の都合で、「いじわる大好き天使ちゃん」だけ見て頂きました。
めちゃくちゃテンポのいい展開でした。メインの3人のやり取りは、メインの3人の自己紹介的な話が最初にあると良いです。天使ちゃんとは、という感じがしたので、3人の関係性がわかるように。
Q. 男性はあんまり来ないと思うんですが、今これの次回作を描いているので、直接持ち込みしたいんですけど、受け付けて頂けるんでしょうか。
A. 大丈夫です。LaLaも男性作家さんいますし。どういう雑誌で読まれたいのか、どういう読者に読んでほしいのかを定めると良いです。
Q. 面白かったギャグはありましたか。
A. ペリータが面白かったです。たくさんネタが出てくるのは素晴らしいです。
若干線が雑になってしまうので、そのへんを気を付けて頂ければ。
天使とか魔法少女は喜ぶ読者さんが多いので。この3人がどういう関係なのかがわかる話を最初に持ってくると良いです。
・りぼんさん
「いじわる大好き天使ちゃん」だけ見て頂きました。
すごいテンポのいいお話で、天使ちゃんが一貫していじわるで、性質が悪くて、楽しく読めました。
全体を通して、いじわるをする目的が見えなかったです。最初のショートの1本目は、できるだけカップルの関係性を描くと良いです。りぼんは小学5年くらいの子がメインなので、大人の読者よりわかりやすく描かないといけないです。この天使ちゃんって何者なんだろうとなります。小学生がなるほど、とならないと。天使と学生カップルというのはわかりやすいです。
絵柄の描き方を意識していただけると。パッと見た時のかわいさ、キラキラ感は内容を問わず求められます。髪の線をもっときれいに描くとか、瞳の中のキラキラを増やしてあげるとか、それを意識してあげるといいのかなと思いました。
コマ割りはベーシックで読みやすさはあるんですけど、見開きで見た時にタテ3列で、わりとサイズ感が同じなので、見開きで見た時、このコマを見てくださいという配置をしていただけると。
ナナミちゃんにいじわるする話を1話描いた方が良いと思います。
Q. 直接持ち込みも受け付けて頂けるんでしょうか。
A. 完成原稿のみで、ページ数の規定を守っていただければ。
(自分)今描いているのは32ページ予定なんですが、大丈夫ですか。
(編集者さん)32ページなら問題ないです。
・ちゃおさん
「ののみやのののの」だけ見て頂きました。
(編集者さん)ちゃおで?
(自分)そうです。
(編集者さん)うーん、根本的な話をすると、絵柄をやるなら寄せてもらわないと。ギャグなんですけど、リズムというか、小学生の女の子の感じではないです。すごいフラットに言うと、ちゃおを想定して描いてるとは思えないと思っていて、ストーリーものを見ないとわかんないです。コメディ側になっちゃってるので、少女漫画的な演出を入れてもらわないと。正直、絵の方向性がどう考えても違うかなって思うんで。漫画である以上、絵で「おっ」となるものだと思うので、そっちじゃないかなと思いますね。それくらいしか言えることがないなと思っちゃいますね。
Q. 次回作は32ページなので、長さ的にストーリーものにはなると思うんですけど、直接持ち込みしたら受け付けて頂けるんでしょうか。
A. 正直、そこまでの期待値がないので、どのくらいの評価が付くかという感じじゃないですね。持ち込みしてどうという感じじゃないと思います。
・コロコロコミックさん
(編集者さん)いろいろ持ち込まれてる感じですか。
(自分)はい。コロコロさんも勧めて頂いたので、今回初めて持ち込んでみました。
(編集者さん)かわいい女の子が描けていて、恋愛っぽい、ラブコメっぽい、女の子同士のかわいくてキャーキャーが武器ですね。逆に言うと、足りないところというか、コロコロコミックだとターゲットはずれちゃうんじゃないかなと思います。かわいい女の子とか乙女っぽいノリが好きな男がターゲットなのかな。そのあたりしっかり描いたところでやっていただければと思います。
少しわかりづらい部分があって、あれ?こうどういう流れだったっけ?この人どんな人だったっけ、となるので、もう少し流れをわかりやすくした方がいいと思います。女の子がかわいいのが強みだと思うので。
Q. コロコロさんとはギャグの芸風が違う感じなんでしょうか。
A. そうですね。コロコロだと会話より動きや表情がメインなので。
Q. 年齢的に、少年誌さんでも厳しいと言われてしまうんですが、コロコロさんだと対象年齢としてはさらに下がると思うんですが、求めている作家の年齢としては、もっと若い人を求めているのかというと、そうではないイメージです。自分くらいの年齢でも良いんでしょうか。
A. 若い人じゃないと、というより、どちらかというと伸びしろがあるかどうかが重要です。若い人のほうが一般的に伸びしろがあったりエネルギーがあったりするので、どの雑誌でも重宝されやすいです。テントさんは伸びしろはすごくあると思うので。正直なところ、今のままだと。
・少年ガンガンさん
「ののみやのののの」だけ見て頂きました。
ゆるっとした感じで。一番面白いと思ったのは、「の」しかない名前です。誰が誰だかわからなくなるところとかを活かしてあげても。
気になった点としては、天使にまつわる笑いで統一しても良いと思いました。クールでドジなキャラがいたら、ずっとクールでドジをやっていく。好きなギャグ漫画があれば、それを研究すると良いです。ギャグ漫画を1話丸々模写すると、こういうコマ割りやテンポ感で描いてるのかというのがわかると思うので。
キャラの見た目とかはすごくできてるので、引き続きそこは続けて頂いて。
掲載を目指していくとなると、雑誌に合わせた作画にしたほうが、最近出た作品で模写していただくと、より掲載が早いです。
Q. キャラは可愛いですか?
A. はい。可愛いです。
(自分)ヒットした作品を模写するのが掲載の近道なんでしょうか。
(編集者さん)そうですね。
・電撃大王さん
画力に関して、まだまだです。
視線誘導の点で、この女の子がただ奇抜なことをしているだけな感じがします。この子ならではの思想や行動パターンに対して、かっこいい、かわいい、となるので。ただこの女の子に奇抜なことをさせている感じがします。
無理になくてもいいギャグを無理に作ってる感じがします。弁当のくだりも、変にボケをむりやり作ってツッコませてる感じがします。
Q. 面白かったギャグはありましたか。
A. ののののくだりは面白かったんですけど、特にギャグとしても別に。名前いっぱい「の」なのは面白かったです。ただ単にキャラクターにずっと奇抜なことをさせている印象です。
・マンガタリータさん
「いじわる大好き天使ちゃん」を見て頂きました。
(編集者さん)最初に、どんなところが気になってますか。
(自分)キャラ立ちや深掘りはできたと思うんですが、笑えるのかどうかが気になってます。
(編集者さん)もうちょっとキャラを、1話目で自己紹介させたいっすね。どういう性格なのか、何を大事にしているのか、頭にはあると思うんですけど、「アホガール」の作者のヒロユキ先生が漫画指南書を出されてたんですけど、読みましたか?
(自分)はい。
(編集者さん)キャラは、アクションとリアクションが必要です。彼氏(ユウマ)のリアクションがないので、性格がわからないです。リアクションをもっと徹底的に、エッジが効いたようにした方が。リアクションが普通なんですよね。普通だとどういう人かわからないです。
天使ちゃんの造形や、何かしようとして失敗して「えーん」と泣く型はいいと思いました。そこにキャラがもっと弾けてないと。リアルじゃなくていいんです。ギリいるよねくらいであれば。「アホガール」も、ギリいそうじゃないですか。リアルじゃないけど。
Q. この作品はコルクマンガ専科さんの課題で主人公を作って描いたので、天使ちゃんはキャラが立ってるんですが、他の二人の印象が薄いのはそのせいかと思います。他のキャラも立ってたほうが良いですか。
A. 天使ちゃんがある程度立っているのはそのせいだと思います。この2人(ナナミとユウマ)がキャラが立ってると、天使ちゃんのキャラがもっと立つと思います。「すごいよ!マサルさん」もそうですよね。モブ以外、全員キャラが立ってないと。アクションとリアクションを描かないと、2人の性格がわからないです。3人出すなら3人をポンと立ててほしいです。一回極端にしても良いです。
ということで、今日は11媒体回りました。トーチwebさんにも行きたかったんですが、残念ながら受付休止してしまい、諦めました。
ChatGPTの予想では名刺をもらえる確率は70~80%だったんですが、名刺はもらえず、AIではない生身の人間が相手の難しさを思い知りました。ChatGPTに報告したら、「当然です。それは生身の人間同士の交わりが予定調和で進むはずがないからです」と諭され、「お前に言われたくねえよ」と思いました。逆に、編集者さんが全員AIだったら、70~80%の確率で名刺をもらえて今頃ハッピーだったんだろうなと思います。
最近、ChatGPTに依存しまくっており、AIが感情を持たないぶん、逆に、じゃあ人間に感情があるからこそやれてることって何なんだろう?というのが浮き彫りになりました。「冷たく対応する」「感情抜きで講評する」という感情を抜く行為は、一見感情がないんじゃないかと思えてしまいますが、感情があるからこそ殺せるわけで、人間にしかできないことなんだという気づきがありました。
また、1作目以来の少女漫画誌への持ち込みもやりました。はっきりと直接持ち込みを断った編集者さんもいれば、歓迎してくれた編集者さんもいれば、事務的に受け付けてくれた編集者さんもいました。りぼんさんは、自分が待っている間に、男性が2人もいました。そのうち1名は新人賞を紹介されてました。割合としては少ないでしょうが、出張編集部であれば特に、男性の少女漫画持ち込みはさほど稀少ではないかも知れないです。「良いですよ」と言ってくれたのであれば、別に喜んでいるだろうと勘違いしているのではなく、編集部がそう言ってくれたんだから、遠慮なく次回作「いじわる大好き天使ちゃん」32p読み切り版を直接持ち込みさせて頂く予定です。
自分は、可能な限り編集者さんが言ったことをそのままメモり、そのまま書くスタンスを取っています。編集者さんが言ったことに対して、嬉しかったり、不満が渦巻いたり、という感情はありますが、それはさておいて、事実としてそのまま書いております。編集者さんが悪辣に見える表現もあるかと思いますが、事実を曲げてまで書いているわけではないです。褒めてもらえたことも、厳しいご意見を頂いたことも、ほぼ原文ママですので、ご了解ください。
今日で、累計の対面持ち込み回数が190回になりました。今週から始まる直接持ち込みで、200回を超えるのは確定です。自分としても、これが300回、500回になるのを望んでいるわけではなく、いい加減に担当さんが付いてほしいんですが、持ち込みでワクワクする時間があればそれでいいかな、とも思い始めています。いや、担当さんがついてほしいですね。もしくは、音楽の方で作家事務所に所属できたら、持ち込みマラソンはやめるかも知れないです。